相続税の税務調査に関するQ&A
相続税申告をすると必ず税務調査が入るのでしょうか?
相続税申告をすると必ず税務調査が行われるわけではありません。
令和4年及び令和5年のデータになりますが、相続税の申告書の提出が要求される被相続人の数が約15万人程度なのに対して、実地調査を行った件数が令和4事務年度では8,196件(約5.4%)、令和5事務年度については、8,556件(約5.7%)となっており、税務調査が来る割合はおよそ5~6%の間で推移しているといえます。
税務調査が入るのはどのようなケースなのでしょうか?
税務調査が入るケースは一概に分類はできないものの、以下のようなケースでは、比較的税務調査が入りやすいという特徴があります。
① 本人申告の場合(税理士に依頼しない申告)
② 海外に資産が多い場合
③ 生前贈与や名義預金が行われている場合
④ 資産合計2億円以上ある場合
⑤ 相続税の申告が必要なのにそもそも申告していなかった
これらは、相続税に詳しい税理士に依頼していれば回避することができた可能性があるため、相続税申告が必要か否かも含めて、一度税理士に確認されることをおすすめいたします。
税理士に頼めば良いとのことですが、家の近くの税理士に頼みに行けばよいのでしょうか?
税金には、相続税の他、所得税、法人税等の種類があります。
そのため、税理士にも得意分野とそうでない分野があり、所得税に詳しい税理士に相続税の事を聞いたとしても、そこまで詳しくないおそれがあります。
万が一にも、不利益を被らないように、相続税を中心に業務を行っている税理士に依頼することで間違いが少なく済むでしょう。
相続税申告で税務調査を受けないために、他にできる事はありますか?
税理士に相続税申告を依頼する場合、税理士に対して「書面添付制度を行ってもらう方法が考えられます。
書面添付制度は、税理士が相続税申告書を作成する上で、問題と考えた事項やその解決のために考えた経緯等を書面にまとめて税務署に提出することで、相続税申告書がこれだけ厳密に考慮して作成されたというお墨付きを与える制度です。
この添付書面のおかげで、税務署としてもあえて税務調査に入る必要が無いと判断する可能性もあります。
また、書面添付制度が活用されている相続税申告に際しては、税務署が必ず作成税理士に対して事前の意見聴取を行ってくれるようになるため、安心することができます。